中国人設立による初めての「新式」小学校「上海正蒙書院小班」2008年12月11日

 以前、中国人設立の初めての女子校「経正女学」(中国女学会書塾・中国女学堂とも)が1898年に誕生したことは書いた(当ブログ2008年4月9日の記事)が、中国人設立の学校の誕生はもう少し早い。これを書くのを忘れていた。

 中国の近代的初等教育、中国人設立による「新式」小学校は、1878年・光緒4年に張煥綸により設立された上海の正蒙書院小班が最初だと言われている。 言うまでもないが私立学校である。

 創設者の張煥綸(1843-1902)は上海の龍門書院に学び、当代の著名な学者劉熙載に師事した、上海の著名な学者、教育家であった。彼は、国の盛衰の鍵は人材であり、急ぎ人材を育てる必要があるとの考えを持っていた。そして1878年、龍門書院時代の同級生である沈成浩、徐基徳、範文礼、葉茂春等と協力して「正蒙書院」を立ち上げたのである。

 この「正蒙書院」、名称こそ「書院」で私塾のようだが、学習課目には外国語、国文、輿地、経史、時事、格地、数学等があるなど、欧米の学校のカリキュラムを範とした「新式」学校であった。

 1882年、正蒙書院は校址の地名をとって「梅渓書院」、1902年には「梅渓学堂」になり、1912年に「梅渓小学」と改名、一旦この名称に落ち着いた。しかし解放後の1951年に蓬莱区第一小学、1956年に蓬莱路第一小学と改名される。それが1990年に梅渓小学に戻された。だからいまも「梅渓小学」は上海にある。この学校の名称の変遷は、中国の学校の歴史をそのまま体現しているようだ。

参考:「老上海著名書院」(新華網) http://www.sh.xinhuanet.com/2003-04/17/content_407975.htm 他

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