新しい学習指導要領の移行期間の開始2009年03月24日

 来年度(今年4月)から、新しい学習指導要領が実施のための移行期間に入る。小学校でもその旨を通知するプリントが配布された。平成21年度からの2年間は平成23年度から始まる新学習指導要領に移る(新教育課程教科書使用)までの準備期間である。来年度は各学年一コマずつ授業時間が増えることになる。

 ところで、この改訂は、「ゆとり教育」から「詰め込み教育」への転換、というわけではない、と「学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会答申」は言う。「授業時数の増加は必要ですが、指導内容を増やすことを主な目的とするものではありません。」[ゆとり]か[詰め込み]かということではなく、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とこれらを活用する力の育成をいわば車の両輪として伸ばしていくことが必要です」その一方で「基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視」「確かな学力を確立する為に必要な時間の確保、授業数が増加される」。具体的には、小学校の低学年で週2コマ、中・高学年で週1コマ、中学校では週あたり各学年週1コマ増やされることになる。

 なお、今回の学習指導要領の改訂では、ゆとり教育の理念「生きる力をはぐくむ」という理念は新学習指導要領に引き継ぐらしい。

 興味深いのは、この改訂が国際的学力テストPISAで学力世界一を二回連続して達成したフィンランドの教育を意識しているように見えることである。以前、当ブログでも紹介したフィンランドの教育(2008年5月24日「フィンランドの国語教科書を読む」6月4日「フィンランドの学力を世界一にした教育相オッリペッカ・ヘイノネン」6月15日「『受けてみたフィンランドの教育』読んでみました」)で重視されている事柄は、今回の改訂のポイントと重なる。そういえば、中国の2006年改訂の義務教育法もそんな感じだった。 仮にPISAの結果の影響だとしても、他国の教育の長所を取り入れるのはいいことであるが、表面だけを真似するのではなく、より深い考察と実験に基づき、慎重に導入して欲しいと思う。

参考:「新しい学習指導要領」(文部科学省)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

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