安富和男『へんな虫はすごい虫』を読む2009年06月16日

表紙の虫はその名も「人面カメムシ」というらしい
 釧路湿原の温根内ビジターセンターに行ったとき、気になる本を見つけた。『へんな虫はすごい虫』、サブタイトルは「もう“虫けら”とは呼ばせない!」という本だ。表紙の写真が人の顔のような模様の虫で、裏表紙の虫が大きな目玉のような擬態をする虫で、それだけでもインパクトがあるのだが、内容はもっとすごい。
 
 100年も生きるシロアリの女王の話や、キノコを育てて食料にしているアリ、マイナス260度の超低温に長時間いれても氷が解けると生還し120年間の乾燥に耐え真空にも強く放射線にも人体の千倍の耐性があるというクマムシに至っては、本当にすごくて、同じ地球上に生きている生物として敬意を示したくなった。
 
 この本のおかげで、虫の習性や能力、生涯に初めて関心を持った。こんなに面白いなら、研究したくなる気持ちもわかる。虫の生態を知ることで、生命の多様な可能性に気づかせてもらえるとは、いい本と出会えたことに感謝している。
 
読んだ本:安富和男『へんな虫はすごい虫』(ブルーバックス、講談社、1995)
 
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コメント

_ BIN★ ― 2009年06月17日 19時58分29秒

なるほど、魅力的なタイトルと内容ですね。
人間が虫や獣への敬意を失ったのは、
いつごろなんでしょうね。
それとも、最初から敬意をもっていなかったのでしょうか。
そんなことを考えました。

_ ゆうみ ― 2009年06月19日 09時37分25秒

とても興味深い問いですね。思わず考え込んでしまいました。
おっしゃるように、今の人は虫や動物への敬意を失っているようにも思えますが…動物や虫との距離、付き合い方が変わった、というのもありそうですね。野生の姿に出会う機会が少なくなり、愛玩動物や観賞用として、かわいがったり、見て楽しんだり、学術的に観察したり。
一方、人間が虫や動物に敬意を持っていたことはあったのかを考えると…虫や動物を対象とした信仰がありますよね。古代エジプトのスカラベやアイヌ民族の熊やふくろうなど…いまでも、自然とよりそって生きている人々の中には、そういう尊いものが息づいているような気がします。

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