小学館版学習まんがスペシャル『エリザベス女王』をよむ2009年06月21日

『エリザベス女王』小学館版学習まんがスペシャル
 まんがの伝記『レーナ・マリア』『エリザベス女王』を友達が貸してくれて、母子で読んだ。今度は『エリザベス女王』の感想を。
 
 『エリザベス女王』は、一般的に知られているエリザベス一世像を再描した感じである。物語としてはおもしろい。ただ…監修に専門家である神奈川大学の石井美樹子氏があたっており、解説も担当していることを踏まえると、エリザベスの陰の部分についての言及、当時の時代背景と政治情勢、価値観についての補足的解説がもう少しあってもよかったように思う。
 
 具体的には、結婚はしなかったが愛人が幾人もいた(しかもその何人かは諸事情により処刑されている)ことやカトリックを迫害したことは言わなかったり、メアリー・スチュワートとの複雑な関係を説明することなく単なる悪役にしたり、といった部分に違和感を持った。。
 
 もちろん、子供向けの漫画なので、限界はあるだろう。でも、ヨーロッパでは歴史教育への関心が高くヨーロッパ史の教科書が民間で編纂され話題をよぶなど、各国史からヨーロッパ史へ、世界史と歴史観の広がりが見られる。エリザベス女王に対する評価も、もっと多角的なものであっていいだろうし、少なくとも、そのあたりは解説で補足してほしかった。 
 
読んだ本:『エリザベス女王』(小学館版学習まんがスペシャル、2004)
 
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コメント

_ BIN★ ― 2009年06月25日 01時29分47秒

子ども向けの歴史マンガを
母子がいっしょに読むっていうのは、
ほほえましい光景です。
でも、一味ちがっている点がすばらしい。
研究者を母にもつってことは、
ああ、こういうことなんだって
強い印象をうけました。
今すぐ、伝えることはできなくてもね。

_ ゆうみ ― 2009年06月26日 11時52分33秒

せっかく楽しく読んでいるので、余計なことは今のところ言わないでいます。
それにしても、別の話として、伝記で描く人物を選ぶ基準には興味がありますね。時代の価値観を反映しているような気がします。

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