中国・日中戦争期、戦時児童保育会の幹部教育2009年07月31日

 次に戦時児童保育会の保育院の教育面について見ていこう。同会の活動は、初期においては児童の救助活動と大後方への児童の運送が主な活動だったが、それ以降は教育へと活動の重点が移っていった。
 同会は早くから保育院の経営と維持に関わる幹部養成の必要性を認識していたらしい。1-3ヶ月間で、院長、係長・主任、救護人員として派遣する予定の幹部の養成を行っている。

 例えば、婦女幹部短期訓練班は一ヶ月であり、学ぶ教科は「領袖抗戦言論講読」「三民主義研究」「抗戦建国要項研究」「新生活運動要義」「戦時工作方法」「組訓婦女方法」「地方行政研究」「軍事常識」「諜報常識」「救護常識」「戦地服務方法」「工作経験報告」「体育」「歌謡」「精神講話」であった。高級幹部ともなれば、これに「抗戦地理」「抗戦形成講話」「中外現代史(国恥史なども含まれる)「傷兵教育および傷兵服務」「衛生知識(防空防毒知識なども含まれる)」などの学科も加わったようだ。学科名を見ただけでも、戦時教育を担う者に必要な知識を促成で授けていることが分かる。抗戦一色である。

こうして訓練を受けた者のほとんどは、各地の保育院に配属されていった。配属の人数は、保育院の規模によって異なるが、大体下記のような人数と条件であった。

○院長1名、25歳以上、大学卒か同等レベルで社会事業に熱心な、教育行政に2年以上携わったことがある人物。
○係長・主任2~3名、23歳以上、高級中学卒業か師範学校卒業で二年の教学経験があり、社会事業に関心があって健康な者。保育主任は原則として医師か高級看護学校卒葉で看護婦としての経験がある者を任用。

 そのほかに、院長の裁量で(主に公募で)任用していたのが下記の三種類の職種である。

○教職員8~12名、高級中学卒業か師範学校卒業で三年以上の教学経験があり、苦労を厭わない、健康で、児童心理に理解がある者。院長の裁量で任用するが、6ヶ月の試用期間を経て、努力が足りないと認められた場合は院長が免職することができる。
○保育員、小学・初等中学卒業で健康な者。入院後、必要な訓練を受け、その上で服務する。
○「工友」10~16名→詳細は分からない。協力者といったところ?

上記の条件を見ると、戦時児童保育会は、スタッフ任用にあたっては一定上の基準を設け、教職員にも教学経験のある者を採用するなど、人選に配慮することで、保育院の教育の質を保とうとした努力がうかがえる。

参考:林佳樺『「戦時児童保育会」之研究』(台湾・国立中央大学歴史研究所・修士論文、2005)

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