尖閣諸島沖の衝突事件、しばらく静観2010年09月25日

 尖閣諸島沖の衝突事件、船長釈放の報道と中国側のその後の対応に、日本では不満、怒りや嘆きの声があふれかえった。しかしこの件で日中双方とも満足出来る結果になることは元々あり得ない。だから、この機会にアメリカとの関係だけでも修正できたのはよかったと私は思う。長い目で見れば、日米同盟は領海侵犯の抑止力にもなる。

でも、少なくとも日本は今回の事件を、対中国外交を見直すきっかけにしたらいい。なにしろ日本は弱いところや痛いところを、これでもか、というほど突かれたわけで、それは裏返せば、中国側が日本を熟知しているということだ。だから今後はより長期的な視野にたって様々な情況を想定して中国を研究し、有事にあたっては中国をよく知る専門家他を集めて対策を練り、今後のためにも国際的な連携を深めて、十全の対策で望んでほしい。

 日本と中国は隣国だし、極めて関係が深い国だから、これからも摩擦は避けられない。今回の事件で中国側は未だ強硬な姿勢を崩していないので、しばらくはゴタゴタが続くかもしれないが、そのうち静かになると思う。国家同士が微妙な雰囲気のときも、せめて民間では仲良くしていたいものだ。