旧暦と農歴2012年01月27日

 日本語の「旧暦」と中国語の「農暦」、以前はうっかり同じものだと思っていた。でも日本の「旧暦」は1844年(江戸時代・天保5年)制定された「天保暦」、中国の「農暦」は明末に編纂され1644年に清によって制定された時憲暦を指す。

 日本の「天保暦」は土台はもちろん中国暦で、これに明末中国入りしたキリスト教宣教師マテオ・リッチ等による中国語の天文書が日本にも極秘に輸入され西洋天文学の知識が導入されたと言われる。一方、中国の「時憲暦」はまさにそのキリスト教宣教師アダム・シャール等と明の官僚徐光啓等の血と汗と協力の結晶で中国初の西洋暦法である。日本では1872年(明治5年)、朝鮮半島では1896年、中国では1912年にグレゴリオ暦に改定された。

 今、中国、台湾、韓国他、農暦を使う国ではお正月休みの真っ最中である。日本に住んでいると、ぴんと来ないけれど、春節を迎える度にこの暦が生きていることを実感する。