学生による台湾立法院占拠に思う2014年03月23日

 台湾の立法院(日本の国会にあたる)が学生により占拠されて6日目になる。今日午前10時、ようやく馬総統が記者会見を開いた。でも、残念ながら、馬英九総統の回答は「サービス貿易協定は害より利益が大きい」「サービス貿易協定と自由貿易協定を進めるのは、国民がビジネスをしやすくするため、台湾の競争力を高めるため」「学生たちが違法に国会を占拠し、5日間も国会を麻痺させた行為は民主的ではない。」といった問題の本質を無視した内容であった。

これでは学生達が納得できなかったのも無理は無い。学生のコメントを見たらそれが分かる。「政令宣導 罔顧民意 既不民主 又無法治 先有條例 再來審議 給我民主 其餘免談」(法令を押しつけ、民意を無視するのは、民主的な行為でも法治でもない。まずは条例を成立させ、審議を行うべきだ。民主を返せ、それ以外の話しはしたくない)学生達は、民主的なプロセスを無視するな、と訴えているのに、馬英九総統の回答はそれに全く答えていないのである。

これは先日の綱要「微調整」問題にもつながる。民主的な手続きを無視して、密室で勝手に決めてしまう手法が同じだ。もちろん学生達が採った立法院占拠という行動の正当性は別の問題としてあるが、馬政権のやり方が民主的でなく強引なのは明らかだろう。いま台湾の民主は危機に瀕している。民主が危機に瀕しているのは日本にも言えること、だからこそ、台湾の学生達による台湾の民主を守る闘いの今後の推移に注目したい。

 

参考:聯合報(中国語) http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT4/8566000.shtml

自由時報(中国語) http://iservice.libertytimes.com.tw/2013/specials/stp/news.php?rno=4&type=l&no=973652