中華人民共和国、私立学校の消滅と復権2010年07月14日

 今の中国では「民弁学校」(民営学校)が花盛りである。「貴族学校」「民工子弟学校」…社会のニーズにより、多種多様な私立学校が出現している。実は中国に私立学校が復興したのは約30年前、本格的に復興してから20年ほどしかたっていない。その辺りの事情を簡単に覚え書きとして残しておきたい。

 中華人民共和国が設立すると、中華民国時代に隆盛を誇った私立学校は消えた。1952年、ごく一部の国家企業や政府機関設置の学校を除き、全ての学校は公立になることになった。就学前教育機関から高等教育機関まで、それが全国に名を馳せた有名校・園であっても、ミッション系も、例外なく公立や国立の学校に変更か既存の公立学校、公立幼稚園に吸収合併された。私立学校は1957年には姿を消し、1978年まではほぼ皆無となった。

 私立学校の復権が始まるのは、1978年以降である。国家の付属物として曖昧は位置づけだった「民営学校」「社会力量学校」が法的に承認され、「私立学校」が復権、設置が奨励されるようになった。1984年に計画経済から市場経済への転換を宣言した中央政府は、1985年に「教育体制についての決定」を公布、更に1986年・第五回全国人民代表大会第14回会議において「多種の方法、多形式の社会資本による学校経営と民間による学校運営を鼓舞して、国家の包括的な学校運営の方法を改善する」と決まったことで、教育の市場化政策が本格的に始まったのである。

 

参考:楠山研『現代中国初中等教育の多様化と制度改革』(東信堂、2010)




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