中国の愛国教育2012年09月04日

一連の反日行動と愛国教育に大きな関連がある、とマスコミが報じ、19948月の「愛国主義教育実施要項」以来、愛国教育が強化されたとしている。しかし、私はむしろ、内容が強化されたというよりは、整備されたに過ぎないと考えている。

それというのも、中華人民共和国建国以来の情況からみれば…かつては全ての教科が愛国教育に彩られていたのであり…現在の愛国教育が占める比重が大きいわけではなく、内容的に大きな変更があったようにも見えないからである。

中国の教科書を研究してきた立場からいえば、反日的要素に限ってみても、以前の方がずっと苛烈で、かつ直接的だった。建国直後の教科書は日中戦争の直後ということもあり、戦時の反日教材がそのまま使われている例も少なくなかったし、比較的穏便になった80年代の教科書でさえ、日本軍と戦って犠牲になった烈士のエピソードが沢山収録されていた。そうした教材の数はいまの方がずっと少ない。そのような情況にもかかわらず、八十後や九十後の若いネットユーザーの間でも反日感情が吹き出す理由が、何かありそうだ。