尖閣諸島沖での衝突事件について考える2010年09月21日

 いま、日本と中国は尖閣諸島沖(中国では釣魚島)における日本の巡視船と中国の漁船の衝突事件で揺れている。事件発生以来の経緯を見ていると、中国政府の出方はなかなか強行で、次から次へと日本の弱いところを突いてくる。一万人も旅行者を減らしてみたり、閣僚級の交流をストップしてみたり、更には上海万博の日本青年上海万博訪問団のキャンセル…。それに対して日本政府は、最初から出遅れていて、その上、閣僚の発言は正面衝突気味で、少しも宥和に向かわない。

もともと、日中間は歴史的経緯に加え、それぞれが抱える内政問題もあるから、問題が複雑化、舌鋒も鋭利になりがちである。何より、領土問題はどの国にとってもやっかいな問題だ。特に台湾問題等を抱える中国にとって、一旦問題化したら一歩も譲れないところ、敏感問題の一つと言っていい。しかし、だからといって、日中関係が悪化することを中国も本当に望んでいるわけではないはずだ。日本を様々な方法で追い詰めながらも、彼らも宥和のきっかけを待っているはずである。その今こそ、日本には冷静になって、正攻法はひとまず収め、問題を切り分けて、互いにこれ以上国益を損なわない宥和に持って行く手立てを真剣に探ってほしいところである。意外なところに問題解決の糸口が見つかるかもしれない。「外交には永遠の敵なく、永遠の味方なし」という。外交の手腕如何では、今回の「危機」を「機会」に変えることができる、可能性もある。

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