下村昇『心配めがねの物語』を読む ― 2009年12月14日
 
 私のインフルエンザもようやく治って、昨日、メガネの調整に行った。眼鏡店からの帰り道、私が「明日から学校にメガネかけていこうね」と言うと、娘は少し不安げに「登校の時はメガネしなくてもいい?」「授業の時だけでいい?」と聞いてきた。眼科医には常時かけるよう勧められているので「できるだけ、ずっとかけてね。」と答えると「ずっと~?」と不満げな声が返ってきた。
メガネをかけて学校へ行く、というのは、子供にとって、大変勇気を要することである。メガネをかけるとよく見えることは分かっているし、家では自然にかけているのだが、学校でお友達の前でメガネの顔を見せるのは何とも言えず恥ずかしいのである。
そんなとき、メガネの記事に目をとめてくださった方の勧めで出会ったのが下村昇『心配めがねの物語』、嬉しい応援である。昨日この本が届いて、まずは私が読んで、夜、今度は母子で一緒に読んだ。
娘は、表紙のイラストの女の子を見て、自分と似ている、とまずは好感を持ったようだった。主人公の民ちゃんは娘よりも二つ年上の小学4年生の女の子である。民ちゃんがお母さんとメガネを買いに行ったり、授業中に黒板の字が見えにくかったり、メガネをクラスメイトの前でかけることへの戸惑いがあったり…娘にとっては自身と重なる部分があったようで、共感していた。
この本はメガネをかけ始めるときの子供の不安な気持ちを掬い取りながら、メガネの正しい知識を伝え、メガネをかけることの意味を理解させ、そしてメガネをかける子供の不安な気持ちを、他の子供達に考えさせる仕掛けがある。悩みを持っている子供や親だけでなく、その子供を受け入れる社会側、つまりクラスの子供達が活用することで、メガネをかける子供を受け入れる土壌を自然に育むように考えられている。
今回の娘のメガネ、そして『心配めがねの物語』を通して、とても大切なことを学ばせてもらっているように思う。
読んだ本:下村昇『心配めがねの物語』(リブリオ出版、2008年)
メガネをかけて学校へ行く、というのは、子供にとって、大変勇気を要することである。メガネをかけるとよく見えることは分かっているし、家では自然にかけているのだが、学校でお友達の前でメガネの顔を見せるのは何とも言えず恥ずかしいのである。
そんなとき、メガネの記事に目をとめてくださった方の勧めで出会ったのが下村昇『心配めがねの物語』、嬉しい応援である。昨日この本が届いて、まずは私が読んで、夜、今度は母子で一緒に読んだ。
娘は、表紙のイラストの女の子を見て、自分と似ている、とまずは好感を持ったようだった。主人公の民ちゃんは娘よりも二つ年上の小学4年生の女の子である。民ちゃんがお母さんとメガネを買いに行ったり、授業中に黒板の字が見えにくかったり、メガネをクラスメイトの前でかけることへの戸惑いがあったり…娘にとっては自身と重なる部分があったようで、共感していた。
この本はメガネをかけ始めるときの子供の不安な気持ちを掬い取りながら、メガネの正しい知識を伝え、メガネをかけることの意味を理解させ、そしてメガネをかける子供の不安な気持ちを、他の子供達に考えさせる仕掛けがある。悩みを持っている子供や親だけでなく、その子供を受け入れる社会側、つまりクラスの子供達が活用することで、メガネをかける子供を受け入れる土壌を自然に育むように考えられている。
今回の娘のメガネ、そして『心配めがねの物語』を通して、とても大切なことを学ばせてもらっているように思う。
読んだ本:下村昇『心配めがねの物語』(リブリオ出版、2008年)
コメント
_ 那鼓 ― 2009年12月14日 23時13分45秒
_ ゆうみ→那鼓さん ― 2009年12月15日 12時13分47秒
コメント&温かいお言葉、ありがとうございます。 
メガネについて、那鼓さんがおっしゃる「罪悪感」、分かるような気がします。以前は受け入れ側(家庭、先生、クラスメイト)にも、それほどの細やかな配慮はなかったですよね。
今は環境が若干改善しているとはいえ、メガネをかけはじめる子供の心境はあまり変わらないのでは、と思います。自分が同じ経験をしていても、親の立場で子供の心を上手に掬い上げるのも難しいです…その意味で、この本に出会えて本当にありがたかったです。
メガネについて、那鼓さんがおっしゃる「罪悪感」、分かるような気がします。以前は受け入れ側(家庭、先生、クラスメイト)にも、それほどの細やかな配慮はなかったですよね。
今は環境が若干改善しているとはいえ、メガネをかけはじめる子供の心境はあまり変わらないのでは、と思います。自分が同じ経験をしていても、親の立場で子供の心を上手に掬い上げるのも難しいです…その意味で、この本に出会えて本当にありがたかったです。
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眼鏡は私も中二になって掛け始めましたが、その前は人並み以上に良かったせいで目が悪くなることや、眼鏡でお金が掛かることにものすごい罪悪感を持っていました。
今はこういう本が出ているんですね。当時の私に読ませてあげたかったなぁ。