中国の憲法、教育法における愛国主義教育の規定2012年09月28日

尖閣問題をきっかけに、中国における反日デモが激化、日本中が震撼した。過激なデモと沸騰する中国の反日世論、その根底には愛国主義教育の影響がある、と多くの識者が分析している。ただ、その仕組みについては、磨りガラスから中を覗くような、ぼんやりとした像しか見えていないのが現状である。

見えるところもある。中国の愛国主義教育については、憲法や教育法でその理念を知ることが出来る。一九八二年施行の憲法の第二四条二項には「国家は祖国、人民、労働、科学、社会主義の功徳を愛することを提唱し、人民の間で愛国主義、集団主義、国際主義の教育を行い、弁証法的唯物主義と歴史唯物主義の教育を進め、資本主義や封建主義その他の腐敗した思想に反対する」と規定され、一九九五年施行の教育法は第六条で「国家は教育を受ける者に、愛国主義、集体主義、社会主義的教育を行い、理想、道徳、規律、法制、国防と民族団結の教育を行わなければならない」と定めている。

 これを見ると、中国の愛国主義教育はあくまで国策に沿った愛国的な国民を育てるのが目的であるようだ。愛国教育は程度の差こそあれ、多くの国で行われている。問題は中国の愛国者を育てるべき教育が、なぜ反日感情を生むのか、である。それについては、愛国主義教育実施綱要がヒントを与えてくれる。

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