『ぐりとぐら』のひみつ!?2008年06月12日

 私自身が幼い頃大好きで、娘にも読み聞かせをした思い入れの深い絵本『ぐりとぐら』。『ぼくらのなまえはぐりとぐら-絵本「ぐりとぐらのすべて」』(福音館書店、2001年出版)を図書館で見つけた。ふと手にとってページをめくると、作者姉妹の対談が載っているではないか。「ぐりとぐら」名前の由来は?なんていうのもある。面白そうだ。

 『ぐりとぐら』の名前の由来はフランスのPierre Probst作の絵本『プッフとノワロ(Pouf et Noiraud )』から。若い頃フランス語を習っていた姉妹は、フランス語の先生から借りた絵本を訳し、中川さんが紙芝居にして保育園の子ども達に聞かせていた。「プッフ」は白い猫、「ノワロ」は黒い猫、この猫が、ゴーグルをしてオートバイにのり(キャンプ道具を全部のせて)、マフラーをたなびかせてキャンプに行く、当時の日本にはない、とってもいかした設定に子供達、特に男の子は夢中になったという。

 中川さんによれば「…そしていい気持ちでキャンプファイヤーをしてハーモニカを吹いて楽しんでいるところへ、ノネズミの一団がやってくるんです。そうすると、なんとその猫たちはネズミが大嫌いという変な猫で(笑)、慌てて、そばの木に登る。その間にノネズミたちがどんちゃん騒ぎをするのね。その歌があるんです。[なんてここは素敵なんだろう]って。[ぐりっぐるぐら、ぐりっぐるぐら]ってリフレインが付くの。そうすると子どもが待っていましたと、一緒になって[ぐりっぐるぐら、ぐりっぐるぐら]って言うんですよ。そこからもらったの。[ぐり]と[ぐら]」というわけらしい。

 ちなみに「[ぐりっぐるぐら、ぐりっぐるぐら]は[ガリガリガリ]なのだそう。」(「ぐりとぐらのえんそくがおわって」)ネズミのかけ声、それともひっかく音?まあ、それはともかく、この本のおかげで、ぐりぐらの名前の謎もとけたし、他にもぐりとぐらが男の一卵性双生児だということも判明した。5人兄弟の2番目だった中川さん、双子にあこがれていたそうだ。

   他にも、本作りのいろいろなエピソードを作者が語っていたり、外国語に訳されたぐりとぐらを紹介(CD付で英語と中国語と韓国語については朗読も)していたり、読者がぐりぐらの歌につけた曲(CDにも入っています)が紹介されていたり、著名人や研究者による評が載っていたり、ぐりとぐらの洋服や折り紙の折り方、カボチャのスフレケーキのレシピが紹介されていたり…、ぐりとぐらを何倍も楽しめるとっても素敵な本である。とびっきりのファンはとっくに知っていたに違いないが、私にとってはワクワクがいっぱいの本に出会えてちょっと幸せをお裾分けしてもらったような気持ちだった。

読んだ本:『ぼくらのなまえはぐりとぐら-絵本「ぐりとぐらのすべて」』(福音館書店、2001年出版)