映画「マザー・テレサ」2008年06月26日

 以前、娘の通っていたカトリックの幼稚園の掲示板に、映画「マザー・テレサ」のチラシが貼ってあった。そのときから気になっていたのだが、ようやくDVDを借りて見ることができた。
 映画の「マザー・テレサ」は1946年、カルカッタ(現在のコルカタ)を舞台に始まる。修道院が経営する学校の地理の教師であり校長でもあったマザー・テレサが、混乱期のインドの街を歩く姿がとても印象的だ。
 映画にはマザー・テレサの活動の重要な部分が「さりげなく」折り込まれている。マザー・テレサの活動を以前から詳しく知るか、強い関心を持っていたなら、それらの重要性を理解出来るけれども、そうでなければ見過ごしてしまうような「さりげなさ」だ。マザー・テレサの前半生、「私は渇く」、「神の鉛筆」、神の愛の宣教者会の設立と四つ目の規則「貧しい人の中でも、もっとも貧しい人々への心からの献身」、初めての施設「死を待つ家」、人身売買スキャンダル、後援会の解散、ノーベル賞受賞のときの晩餐会辞退……。
 マザー・テレサを支えた人との長期的な関係は、ロレット女子修道会時代からの理解者であるファン・エグゼム神父についてのみ描かれている。映画の限られた時間の中で、マザー・テレサの行ってきたさまざまな活動や思想、神との関係の主要部分だけでも描き出すのは非常に難しかったに違いない。映画「マザー・テレサ」が描き出すのは、マザー・テレサの一面に過ぎないけれども、彼女のシンプルだけれど深い思想にも触れることが出来るし、大いなる感動を味わうことが出来る。