革命のために命を捧げた人「烈士」2008年02月05日

 最近は減少傾向にあるようであるが、中国の「語文」教科書には多くの烈士の逸話が紹介されている。烈士とは「正義の事業(特に革命)のために命を捧げた人」である。特徴的なのは党からその犠牲的行動に相応しい特別の称号や題辞が贈られている。

 例えば、解放戦争で敵方に捕らえられ買収しようとする国民党にあくまでも刃向かい1947年1月に公開処刑された女性劉胡蘭には毛沢東から「生的偉大、死的光栄」という題辞が送られ、同じく解放戦争で相手の砦を後略する為に自らを犠牲にして血路を開いた董存瑞は「戦闘英雄、模範共産党員」という称号が、朝鮮戦争で戦闘中大怪我をしていたにもかかわらず、掃射中の機関銃の銃口を身を以て塞ぎ1952年10月に壮烈な死を遂げた黄継光には「中国人民志願軍特級英雄」「朝鮮民主主義共和国英雄」の称号が、1979年のベトナム侵攻作戦(中越戦争)でダイナマイトを持って突撃し自分を犠牲にして敵の砦を焼き払った陶紹文には「董存瑞式的戦闘英雄」の称号が送られている。

 逸話の舞台は中国国内、朝鮮半島、ベトナム等で、年代も1937年から79年まで幅があるが、内容には共通性がある。烈士の行動には、全く自分を顧みない凄まじいまでの集団主義が貫かれ、善悪、敵味方の構図もはっきりしている。それらを見ると烈士の逸話の教科書に於ける役割は歴然としているようである。

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