四川大地震の校舎崩壊に思う2008年05月27日

 しばらく前に四川大地震により7000棟近い校舎が倒壊したという報道があった。震源地の学校は数えていないと言うから、今頃はもっと増えているかも知れない。多くの小中学生が倒壊した校舎の下敷きになって掛け替えのない命を失った。親たちは市当局に抗議のデモを行ったりしているようだが、悲しいことに…死んだ子ども達はもう戻ってこない。

 中国政府はここ数年「国家貧困地区義務教育工程」「全国中小学校危房改造工程」(等の国家プロジェクトを立ち上げて、全国の貧困地区の危険校舎建て替えに巨額の予算を投入して対策を講じていた。だから、今回の校舎倒壊は、危険校舎の建て替えを推進してきた政府のトップクラスも大きなショックを受けたに違いない。小中学校の「手抜き工事」は工事費のピンハネなどの腐敗や、工事労働者の劣悪な労働環境や賃金などが関連しているという。中国政府は原因の究明とともに、建築基準を上げるなど、対策を講じるようだが、監視体制を相当強化することが必要だろうし、更に最も大切なのは、腐敗を押さえ工事の質を上げるための人間の教育のような気がする。それがなければ、いくらでも法律の抜け道を探し出され、隠蔽されて、今後の災害でも同じ事がくりかえされるだろう。

 今回の四川大地震で、日本でも校舎の耐震性が話題になっている。震補強工事の重要性の認識が高まっているのはいいことだ。報道をみると、地震大国といわれる日本なのに、校舎の耐震化率は意外と低く、耐震補強が必要な校舎がたくさんあるという。国もやっと動き出したようだ。東海大地震他、大地震の発生が予想されているのだから、最優先で予算措置を講じ、一刻も早く耐震補強工事をしてほしい。それが、大事な子供達の命を守り、避難拠点の確保にも繋がるのだから。

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