歴史ヒストリア「フリーをなめたらいかんぜよ!~坂本龍馬と海援隊 夢と挑戦の日々~」を見る2009年11月13日

 娘が昨日から登校し始めた。今日も元気に登校した。一安心である。私もようやく自分の時間がとれるようになった。

 先日に引き続き歴史ヒストリアを見た。今回のサブタイトルは「フリーをなめたらいかんぜよ!~坂本龍馬と海援隊 夢と挑戦の日々~」である。全体として、海援隊の誕生から解散までを時系列に追っていき、最後に龍馬死後の海援隊と解散後の隊員の行く末を紹介して終わったので、大変分かりやすかった。坂本龍馬という魅力ある人物に率いられた海援隊が、手段を選ばず利益を得ようとする「射利」という新しい価値観で、幕末の混乱期のビジネスチャンスをつかみ、世界へと翼を広げようとした姿を、上手く描いている。

 特に坂本龍馬が大藩・紀州藩との事故後交渉で発揮した交渉力、危機に追い込まれた際にメディア戦略を駆使して乗り切る機転の素晴らしさ、そして世界を視野にいれた商売を目指す野心には舌を巻いた。一方、「射利」を目指すだけあって「いろは丸」事件で載せてもいなかった(沈没したいろは丸の調査で判明している)金四万両あまりもあわせ、8万両もの賠償も請求するなど、詐欺行為ともいえる危険な橋を渡っていることも知った。船も沈められ、御三家の威光で追い詰められた意趣返しの面もあったのかもしれないが、もし紀州藩に察知されたら、それこそ、戦争になりかねない。こういう不正を龍馬がやっていたと知って、なんとも残念である。

 番組中、興味深い史料が紹介されていた。海援隊が出版したという英語の字書『和英通韻以呂波便覧』(慶応4年)である。隊員達の教科書として編まれたものであろうか。万延1年(1860)丸屋徳造の撰によって刊行された 『商貼外話通韻便覧』(一名 『和英接言』)を再刊したもの、であるらしい。この種の本は中国清末の教科書にも似ていて面白い。

 今回の番組は、従来とはひと味違う龍馬を知ることができて、とても面白かった。再放送(11/18)もあるようなので、ご興味を持った方はぜひどうぞ。

見た番組:歴史ヒストリア「フリーをなめたらいかんぜよ!~坂本龍馬と海援隊 夢と挑戦の日々~」 http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/23.html

参考:http://www.kufs.ac.jp/toshokan/gallery/data23.htm (京都外国語大学図書館)
http://www.tosho-bunko.jp/story/page1_1.php (東書文庫)

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