住宅奴隷と子供奴隷2010年03月27日


 近年、中国には「房奴」と「孩奴」が出現している。はじめにこの言葉を見たときは驚いた。「奴」は“奴隷”、「房」は“房子”=住宅、「孩」は“孩子”=子供だから、直訳すると「房奴」は「住宅奴隷」に、「孩奴」は「子供奴隷」になる。住宅奴隷というからには、家賃が払えず労働させられているとか、住宅付きのお手伝いさんを揶揄しているのかとも思い、子供奴隷というからには掠われたり貧しくて売られたりして働かされているのを指すのだと思った。

 でも、ただの勘違い、全くの見当違いだった。住宅奴隷「房奴」は住宅ローンに追われて余裕のない人を、子供奴隷「孩奴」は子供に全てを注いで余裕がない人をいう。日本にも程度の差こそあれ、沢山いそうだ。

 このような状況、中国では比較的新しい。改革開放前の中国では住宅は職場から分配されるもので個人所有も無かったし、各単位に付設している保育施設や学校はただ同然、大学も学費はもちろん寮費もかからない。教材費や雑費はかかっても物価が安い時代だったから教育費が家計を圧迫することは少なかった。もっとも学校は国のための人材を育てるために存在するもので、学校卒業後の進路は全く個人の自由にはならなかった。

 近年は自由になったのはいいが…本当に自由なのは経済的に恵まれている人達だけかもしれない。庶民にとっては都市の不動産価格はうなぎ登りでとても手が届かないし、教育費の上昇は家計を圧迫しており、特に貧困層では家計の6割から8割を占めるような事態がおきているらしい。政府が義務教育の無償化や素質教育を推し進めても、教育費の上昇は止まらないようで…一体どうなっているのか、もっと詳しく知りたいと思う。



コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://youmei.asablo.jp/blog/2010/03/27/4975810/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。