劉暁波氏がノーベル平和賞受賞2010年10月09日

 劉暁波氏が今年のノーベル平和賞を受賞したという報道を見た。劉暁波氏は、昨年末、国家政権転覆扇動罪により懲役11年の実刑及び2年間の公民権剥奪の判決が確定し、今も収監されている中国作家だ。罪状は「08憲章」を起草したというものである。「08憲章」は、共産党の一党独裁の終結、三権分立、宗教や言論、集会、結社の自由等を求める意見であり、2008年12月10日付で有識者303名の実名で公表された。

 ちなみに劉暁波氏の投獄は今回が最初ではない。1989年の天安門事件以来、3-4回は投獄されたり、拘束されたりしている。こういう人は国が変わるために必要なのかも知れない。でも、家族はさぞ大変だろう。

 ノーベル平和賞の候補者として話題になるまで、中国以外で「劉暁波」という名をどれほどの人が知っていただろう。今回の劉暁波氏のノーベル平和賞の受賞は、国際的に中国の存在感が増すなかで、その体制の改革、民主化を世界が求めていることを象徴しているようだ。

 しかし、やはりノーベル平和賞の政治性は気になる。ノーベルの当初の意図とも異なるようだ。シュバイツァーやマザー・テレサのような人が受賞するのが本当は好ましいと思う。




コメント

_ piaopeng ― 2010年10月09日 17時31分10秒

こんにちは。今回の受賞に関して、複雑な思いを持っています。
亡命者ではなく、収監されている立場を考えると、良かったのかどうか・・・。
売られたけんかを買ったような、そんな低レベルなことではないとは思いますが、それに近いものを感じました。
ノーベル賞はその影響力を考えると、カンフル剤的意味でこういう選考もあるかと思わないでもないですが、私は皆が立場を超えて受賞を祝福できるような選考のほうが、ノーベル賞の名にふさわしい気がします。

_ ゆうみ→piaopengさん ― 2010年10月10日 06時25分47秒

piaopengさん、お久しぶりです。
おっしゃるように、収監中であることを考えると複雑な気持ちです。確かに、皆が立場を超えて受賞を祝福できるような選考が望ましいし、ノーベル平和賞の名にふさわしいですよね。今回の選考結果は、民主化運動には大きな励みになったでしょうけれど、受賞したご本人とご家族にとっては、新たな試練の要素が大きいかもしれません。

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