舞子の思い出2008年07月08日

 粘土でつくったお花、昨日完成しました。小さいけれど花の上で飛び跳ねている白黒の元気な猫は舞子のつもりです。舞子は私が拾って家族みんなで可愛がって育てた子。妹の家で舞子が天国に旅立って、もうすぐ四年になります。あと一週間、7月15日が舞子(猫)の四回忌です。

 舞子は家の子になったとき、栄養失調状態でした。大きくなっても小柄な方で、風邪もよくひいていたし、傷などは治りにくい体質でした。元気は人一倍(猫一倍?)だったので、子供の頃の栄養失調等が原因で、体質が弱い方なのだと思いこんでいました。

 ある日、家のおじさん猫オリバーが白血病であることが判明し、舞子を白血病の予防接種に連れて行って、血液検査をしました。そして、原因が判明しました。舞子は猫エイズだったのです。体に免疫不全の大病を抱えていたのです。せめてもの救いになったのは、猫エイズはほとんど発症しないし、人にもうつらない、と教えて貰ったことでした。いずれにせよ、猫エイズの子は白血病の予防接種ができないため、そのまま連れて帰りました。

 舞子の病気に私は大変驚き、衝撃を受けました。お医者さんは、恐らく生まれつきだろう、と言いました。そのあたりの真実は分かりません。舞子が実の親からもらったものかもしれないし、他の原因で移った可能性もあります。この小さな体に住み着いた恐ろしい病気を憎みました。

 年老いて、病気になったとき、舞子の体は思うように回復しませんでした。歯が悪くなり、食べることがままならなくなり、みるみる衰弱し、痩せていったのです。2004年6月、レントゲンを撮ったところ、肝臓の横に腫瘍ができていることが分かりました。お医者さんにも猫エイズがあるので手術しても回復するかどうか微妙だといわれました。母は私に言いました。「手術しても舞子には辛いだけだから、苦しまないようにして、そしていっぱい甘えさせてあげましょう」一週間に一度ほど、両親が舞子を病院へ連れて行ってくれました。それは痛む歯を抜いたり、レーザーや薬で痛みを抑えたり、という治療で、体を根本的に治す治療ではありませんでしたが、病院へ行くと、舞子の体調は少し良くなりました。今振り返って良かったと思えるのは、舞子は猫だったので、一生この病気のことを怖がることもなく、それまでと同じように、ありのままに生きることが出来たことです。

 残された時間、それは思ったよりも短い時間になりました。舞子の人生の最後を家族の愛情で包んだのは、私ではなくて、舞子のために旧い家をリフォームして移り住んでくれた妹一家でした。

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