駒込武・橋本伸也 編『帝国と学校』を読む2009年11月27日

駒込武・橋本伸也 編『帝国と学校』
 『帝国と学校』(昭和堂)を読んでいる。「帝国と学校」、まさにいまの私の興味とぴったりのタイトルにひかれて手に取った。

 序論がいわば総論で、それ以降は「帝国と学校」というテーマを、論者がそれぞれのフィールドで論じる構成となっている。序章の冒頭に「本書は19世紀から20世紀前半にかけてのロシア帝国、ハプスブルク帝国、大日本帝国、大英帝国、アメリカ合衆国の例に即して、世界史的な視野から[帝国と学校]という問題群を考察するための手がかりを獲得することをねらいとしている。」とあるように、とくかくフィールドが広い。

 そして素材が面白い。ロシア帝国におけるユダヤ人の教育問題、モラヴィアのチェコ系とドイツ系住民の民族言語相互習得の問題、ウィーンのチェコ系小学校、日本統治下の朝鮮における非義務教育制と学校の普及の問題、日本統治下の台湾における先住民族児童の就学率と実態、大英帝国統治下のナイジェリアにおけるミッションスクールによるエリート育成の功罪、朝鮮における近代教育の先駈けであるミッションスクールの生成と発展、イギリス帝国と女性宣教師、アメリカ合衆国という帝国と日本女子大学、官立女子高等師範と奈良女子高等師範の満州への修学旅行、など。いずれも興味深い素材を扱っている。

 さらっと読んだが、アジア以外の部分では歴史的背景がつかめない部分もあったので、関連書を図書館で探して、もう少し深く読んでみようと思っている。

読んでいる本:駒込武・橋本伸也 編『帝国と学校』(昭和堂、2007)

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