中国の高齢者教育の柱・老年大学2010年06月28日


中国で高齢化が進み、国家の重要課題の一つに高齢者教育が議論されるようになったのは1980年代からである。高齢者に対する扶養と医療とともに、高齢者の生きがいや学習の重要性に目が向けられるようになった。1983年に山東省赤十字会老年人大学が設置されて以降、中国各地で退職高齢者に生涯学習の場を提供する老年大学が設置されてきた。2002年には全国に19,300校、在校生は180万人に達している。

学習内容は多岐にわたり、文学、歴史、外国語、書道、中国画、中医保険、ダンス、演劇、コンピューターなどの専攻科目の他に、時事や国策、思想道徳、芸術鑑賞などの講義が行われ、趣味サークル活動も盛んで、高齢者に生きがいを提供している。

そういえば、私の友人のご両親が老年大学で中国画と書道を習っていて、その作品を見せていただいたことがある。あのときの笑顔、嬉しそうな話しぶりは印象的だった。老年大学の様々な習い事、同年代の人の輪が、確かに中国の高齢者の方の生きがいの一つとなっているようだ。

 

参考:神部純一「中国における高齢者の学習」(「生涯学習研究e事典」日本生涯教育学会編より)



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