五四新文化運動を契機とした女子教育観の変化2009年03月21日

 引き続き、『中国女性運動史1919-49』から、今度は五四運動を契機として、中国社会における女子教育観にどのような変化が訪れたのか、大まかに追ってみたい。

 五四運動前は、女性に教育を与えることで中国女性の覚醒を促すというのが進歩的考え方であったけれども、五四運動によって、女性解放はもっと具体的、かつ積極的な展開を見せることになる。「五・四運動では、各地の女子学生が民族的危機の打開を自分の任務として、[男女別あり]の封建的束縛を打ち破り、男子学生と共に闘い、社会の進歩勢力と世論の支持と賞賛を得、[男女の境が徐々に取り除かれ、各々がその責任を果たせば、それはわが国の進歩である]と見なされるようになって」いったのである。

 そしてこれを契機に、「男女交際の自由」が声高に叫ばれ、「教育の男女平等」をめざす論争に火がつき、「女性の経済的独立」の獲得が求められるようになり、「封建的婚姻観の打破」が図られるようになっていく。

 五四運動期の「教育の男女平等」の獲得で、最も注目を浴びたのは、女性への大学の門戸開放だった。

参考:中華全国婦女連合会/著、中国女性史研究会 /翻訳『中国女性運動史1919-49』(論創社、1995)

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