中国・中華民国期、ミッション系大学の存在感2009年05月26日

 清末、中国に渡った宣教師は、彼等が所属する教会組織をバックに、中国の開国直後から、布教活動の一環としてミッションスクールと病院を開港地に次々と設立した。なかでも、中華民国時代におけるミッション系大学の存在感は大きい。

 ミッション系大学は、創設時ごく小規模に初等教育を行っていたのを、徐々に中等、高等教育まで幅を広げた場合が多かった。中には、燕京大学、聖約翰大学、斉魯大学等、全国レベルの名門となった大学もあり、中国近代史に残る優秀な人材を多く輩出した。その人気の秘密は…優秀な教師陣、英語教育、そして中国にいながらアメリカの学位を取得できるという優位性、等々の理由があったようである。

 曲士培『中国大学教育発展史』には、戦前の主なミッション系大学として、之江大学、聖約翰大学、斉魯大学、華中大学、東呉大学、嶺南大学、燕京大学、金陵大学、協和医学院、滬江大学、華南女子文理学院、華西協合大学、金陵女子大学、福州協和大学が紹介されている。但し、『中国大学教育発展史』は概説書としては大体のことを理解するには頼りになるのだが、教会学校についての説明は少々調べただけでも記述に間違いが少なくない。中華民国期の教会学校の研究書を探してみようと思っている。

参考:曲士培『中国大学教育発展史』(北京大学出版社、2006)

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