時間によって克服される距離――藪内清『中国の天文暦法』を読む2009年08月11日

 最近、藪内清『中国の天文暦法』という本を少しずつ読んでいる。それで知ったのだが、中国天文学は、独自の発展もさることながら、外国からの影響が少なくなかったらしい。
 
 漢代にギリシア、唐代にインドの天文学の影響を受けながら発達し、元代には世祖の時代にペルシアを支配したイルハーン国を通じてイスラム系の西方天文学が大量に伝わり、そして明朝の末から清朝の初めにかけてヨーロッパ天文学がイエズス会の宣教師を通じて伝わった。

 遙かなるギリシア、インド、ペルシア、ヨーロッパから中国へ、通信手段も交通手段も限られた時代、知識や情報や様々な品々が、いろいろな人々を経て、時間をかけて、途方もない距離を旅して伝わっていったのだと思うと、感慨深い。

読んでいる本:藪内清『中国の天文暦法』(平凡社、1990) 

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