文化庁委託事業・伝統文化体験に参加して2008年08月24日

 娘にとって、小学生になって初めての夏休みの貴重な体験の一つは、一人で浴衣を着ることが出来るようになったことだ。今回娘が参加したのは、浴衣の着付けと日本のマナー、伝統行事を学ぶ教室である。浴衣もテキストも無料貸与、費用も無料、場所は近くの公民館、大河ドラマの篤姫ファンでかねてから礼儀作法や浴衣に興味を持っていた娘にぴったりの教室である。内容について興味があった私も見学させていただき、いい勉強になった。

 参加のきっかけは、夏休み前に学校で配られた一枚のちらしだった。どんな内容なのか問い合わせの電話をすると、とても親切に丁寧に説明してくださり、参加を決めた。教室は全部で8回、予定があって参加出来ない日もあったが、楽しく通っている。参加対象は小学1年から中学3年までだったので年齢層が幅広く、女の子が多かったが、男の子も何人か参加していた。

 学習内容は大別して3つ。季節行事(お正月、節句、ひな祭り、七夕他)とマナー(4種類のお辞儀-会釈・敬愛礼・尊敬礼・最敬礼、箸やお椀の扱い方、風呂敷の包み方、手紙の書き方他)、そして浴衣の着付け(紐のたたみ方、浴衣のたたみ方、帯のしめ方他全般)である。教えてくださるのは、装道の先生方。浴衣の着付けは、小学1年生~3年生は最初は兵児帯、その後平帯の結び方も教わった。小学4年生以上は平帯の結び方まで教えて貰っていた。対象年齢層が幅広いので、小学1年の娘には難しい内容もあったが、先生が5-6人(それ以上かも)もいて、丁寧に手を取って教えていただいたおかげで、娘でも有る程度はマナーを理解し、浴衣の着付けが自分で出来るようになった。風呂敷でものを包んだり、浴衣を着たりできるようになって、本人がとても嬉しそうだ。 おかげで娘は、家では自分で浴衣を着て、日々篤姫ごっこに勤しんでいる。

 ところで、今回この教室への参加を通して、文化庁の委託事業「文化体験プログラム支援事業」により、子供向けの伝統文化体験が全国各地・様々な形で実施されていることを知った。実施団体によって内容は様々…日本舞踊だったり、浴衣だったり、礼法だったり、茶道だったり…だが、「文化体験プログラム支援事業」の趣旨は、「子どもたちが日常の生活圏の中で、年間を通じて、普段身近にあってもなかなか触れることのできない地域の特色ある芸術文化、伝統文化、文化財等の様々な 文化に触れ、体験するプログラムを作成し、実施することにより、子どもたちの 豊かな人間性と多様な個性を育む。」ことだそうである。

 公的機関による支援と、実際に伝統文化普及に携わる方々のおかげで、貴重な体験をさせていただくことができ感謝している。できれば、今回の体験で終わってしまうのではなく、伝統文化に触れる経験を継続的に生活の中に取り入れられればとは思うが、親だけでは力不足なので、また良い機会があればぜひ参加したいものである。

参考:文化庁・平成18年度「文化体験プログラム支援事業」の実施について(運用指針)(案)http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/chiikibunka/shinkou/sisaku/plan/pdf/18_taiken_sisin.pdf