アメリカ大統領選挙に思う--オバマ氏の勝利演説を読んで2008年11月08日

 大統領選挙が終わり、バラク・オバマ氏が勝利演説をした。歴史に残るであろう名演説だった。すべてのアメリカ人を味方につける、新しいアメリカに期待を持たせる内容だった。私自身は、バラク・オバマ氏の勝利演説の中では106歳の女性の話が印象的だった。それはこんな内容だった。

 「今夜、私の頭に浮かんでいるのは、アトランタで投票したある女性のことだ。彼女は、ある一つのことを除いて、自分たちの声を届けようと投票所で並んだほかの数百万の人々と変わらない。彼女--アン・ニクソン・クーパーさんは106歳だ。彼女は奴隷制度時代のわずか一世代後に生まれた。道に車はなく、空に飛行機はない時代。彼女のような人が二つの理由で投票することができなかった時代。その理由は、女性であるということと、肌の色だった。」

 これを読んで思った。共和党・マケイン氏と民主党・オバマ氏の最終戦よりは、民主党候補者争いでのバラク・オバマ氏とヒラリー・クリントン氏の対決の方が、アメリカの歴史の中で特別の意味を持つものだったのかもしれない、と。二人はそれぞれ、黒人、女性、というかつて無いタイプの有力候補者であり、アメリカの民主主義の壁を象徴する存在になっていたからだ。

 先日、ヒラリー・クリントン氏の自伝を読んだ。当然大統領選挙を意識して書かれているのだけれど、それでも、彼女が相当早い時期から大きな夢を持って、政治活動や社会活動に関心を持ち、積極的に関わり、多くの努力を重ねてきたことが感じられた。女性候補には男性候補とは別の条件も求められる中で、様々な難題を幾つもクリアしてのぞんだ選挙戦だったと思う。今回結局オバマ氏に破れたが、かなりの接戦だった。アメリカの女性もここまでたどり着いたのだ。あと一歩のように思えた。

 女性大統領が登場しなかったのは残念だが、人種と民族の宥和を象徴する大統領が率いる新しいアメリカが、世界に平和と安定に貢献してくれることを願って止まない。

参考:毎日jp 「米大統領選:バラク・オバマ氏勝利演説全文」
http://mainichi.jp/select/world/presidential/news/20081106mog00m030056000c.html
ヒラリー・ロダム・クリントン・著、 酒井 洋子 ・翻訳 『リビング・ヒストリー ヒラリー・ロダム・クリントン自伝 』(早川書房、2003)

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